どうも川鵜です。
ものづくりって大変ですよね。鉄や樹脂を加工したり、音楽や美術を創作したり。いろんな種類のものづくりがあると思います。自分もかっこいい職人さんやクリエイターにとてもあこがれがあるのですが、残念ながらそんな才能はどの分野にも見出せないのです。「さいのうほし~よ~」というのは簡単ですが、バンドで曲を作っている友人が”生みの苦しみ”にもがいて抗っている姿をいつもみているのでおいそれとは口にできません。”苦労すればするほどいいものができる”とは思いませんが、ものづくりにおいていいものを生み出すのにそれなりの苦労が伴うのは覚悟しなければいけません。
自分が書いているこの記事ももっと自分の足でロケをして写真を撮ってインタビューをして、何度も何度も推敲していい記事にしたほうがいいに決まっています。夜中にAppleMusicでどぶろっくをききながら書いている場合ではないのです。なので今回は
”いいものを生み出す”のではなく”生み出したものをいいもの”にしていきたいと思います。
まさに逆転の発想。作品を作る力ではなく、プレゼン能力で作品の価値を底上げします。これなら僕もトップクリエイターの仲間入りもあっという間です。「やりたくないことやってる暇はねぇ」今の自分の能力を最大化して世にアピールすることができれば大バズも夢ではありません。
では、早速なにか作品としての能力がわかりづらいものを準備したいと思います。
今回の企画の趣旨だと一切の労力をかけない方が面白いと思ったので自分の携帯のなかにある適当な写真を”アート”だと言い張ってみたいと思います。
説明しましょう。これは
”じゃがりこが3本刺さった食べかけの鮭おにぎり”です。
もう少し詳しく説明したいと思います。作品が生まれた経緯を知ることで作品に対する”歴史”が生まれ、それを見たあなたが何かを感じることでアートが完成するのです。
(現代アートについて雑に調べて得た知識)
これは僕が高校三年生の時に修学旅行で沖縄に行ったとき撮った写真です。行きの飛行機を降りて空港からバスに乗り換えてすぐにこの作品は生まれました。飛行機の中では途中強風で機体が揺れて女子がジェットコースターばりに絶叫していたり、自分と作品を手に持っている友人はマリオカートDSで白熱していたのでかなり特殊なハイテンション状態にありました。
そんな飛行機からバスに乗り換えてすぐの自分たちの心境はまるで”映画館で映画を見た後”のような高揚感に包まれていました。
そこで普段はおとなしい友人があがったテンションのやり場がなくなって奇行に走った結果、鮭おにぎりにじゃがりこを3本突き刺したことでこの作品が生まれたのです。
さぁ。どうです?作品の見え方は少し変わってきましたか?
まだよくわからないというそこのアナタ。安心してください。高度なメッセージを内包した作品を理解するのは専門家でも時に難しいことなのです。このあとの説明を聞くことで作品の理解がより深まり、数分前とは作品の見え方だけでなく世界の見え方も変わってくるでしょう。
では、この作品を楽しむために押さえておきたいポイントをはじめに紹介します。
・食べ物で遊んではいけないという常識の逸脱
・鮭おにぎりとじゃがりこの親和性の低さ
・鮭おにぎりが食べかけである点
・じゃがりこの向きと本数の意味
ここまできたらピンときた方も多いのではないですか?早速順番に説明したいと思います。
・食べ物で遊んではいけないという常識の逸脱
皆さんは、「食べ物で遊んじゃいけません!!」というセリフをどこかで一度は聞いたことがあると思います。そう、食べ物で遊んじゃあいけないのです。しかしどうでしょう。友人はその常識を疑い、食べ物をアートに昇華させようとしたのです。修学旅行という高揚感に包まれていた非日常のなかにあったからこそ、日常の常識を逸脱した作品を生み出すことができたのです。
鮭おにぎりとじゃがりこの親和性の低さ
甘くてしょっぱい、つめたくて熱い、一見相反する二つの要素をかけあわせることで食材のおいしさを際立てる調理法があります。この二つの要素をかけあわせるというのは料理の世界ではよく使われる一般的な手法と言えます。では、”鮭おにぎり”と”じゃがりこ”ではどうでしょうか?全く違う要素の二つの食材ですが、味の面で考えればおなじ”しょっぱい”というジャンルにありますが、”お菓子”と”ごはん”というジャンルでは全くの別物といえるでしょう。栄養素の面からみてみるとじゃがいもと米は炭水化物でバッティングしてしまっています。つまり、じゃがりこと鮭おにぎりは多角的な視点でどのようにとらえても決して交わることのない不思議な関係性にあるのです。この親和性の悪さこそがこの作品をみて感じる不思議な違和感の正体の一つであり、その違和感が作品の魅力なのです。
鮭おにぎりが食べかけである点
鮭おにぎりが食べかけであることの何が大事なんだ」と思っている方もきっと多いと思います。結論から言ってしまうと、”色彩”と”ストーリー性”の二つの点でとても重要になってきます。まず”色彩”の点では、この鮭おにぎりが食べかけであることで具材が露出して中身が見え、作品の中心に色のアクセントを与えています。次に”ストーリー性”の部分ですが、作品を作ろうと思った作者の”衝動”のようなものが現れています。この鮭おにぎりが食べかけであることで、アイデアが思いついて実行するために鮭おにぎりをひと口たべたのではなく全く計算されていない制作当時の感覚的な衝動で生まれた作品であるというストーリーを感じることができるのです。
じゃがりこの向きと本数の意味
そして最後にこのじゃがりこの本数とその向きが意味するものとはなにかについて考えていきたいと思います。はっきり言ってこの点については作者自身も答えを持っているかどうか怪しい部分ではあります。ですがアートのおもしろいところはこの「違和感や意味の答えが必ず作者や作品になくてもいい」ところです。大事なのはこの意味のない現象に対して自分が何かを感じたり、推測したり、感覚的に刺激をうけたりすることが大事なのです。つまりこの作品にはアートのおもしろさの真髄が宿っているということです。
以上が作品をより楽しむためにお伝えしたい四つのポイントでした。いかがでしたでしょうか。作品の理解を通して感じたこと考えたことはこの作品やアートの世界だけでなく人生においてすべての場面できっと有意義なことにつながるでしょう。そうして自分の人生そのものが豊かになることがアートの素晴らしい点かもしれません。
疲れた
疲れたよ!!!!!!!!
みなさんはクソみたいな作品が段々とすてきな現代アートに感じることができましたでしょうか。じぶんはこの記事を書いている最中自己暗示で自分がアートに詳しい専門ライターになった気分でした。
今回の記事で現代アートについて少し調べましたが、本物の魅力は一目見ただけでも段違いです。やはり芸術はなめてはいけない。
みなさんもつらく苦しい努力に疲れたら、思考の転換をして別方向からアプローチすることにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。では。
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